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”ダリア狂”のダリア園

秋田魁新報には随時、県内で活躍している(活躍した)人にスポットをあてるシリーズ、「時代を語る」を連載しており、7月からは30日間に渡って、日本ダリア会理事長のこれまでを振り返って紹介した。

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彼は1947年生まれ、7人きょうだいの末っ子。父親は彼が生まれる3ヶ月前に病死、貧乏な家庭であったことからほどなく養子に出された。それ故に遠慮しながら育ったらしい。それから抜け出すために、海運会社に入り航海士を目指したという。そんな彼が、カナダのバンクーバーでダリアに出合った。それまでは仏壇に飾られる花だと思っていたダリアが、そのまちでは庭園にダリアが植えていて、日本にもこんな庭がほしいと思ったらしい。

26歳で秋田に戻った。だが、食うために港の水先案内人になった。その翌年に結婚。30歳で家を新築、そこの広い庭に早速ダリアを植えた。ある日、民家で咲いている30cmもある黄色い花を見つけて聞くと、それはダリアであり名を「巨砲」と・・・実はその人が「秋田ダリア同好会」の会員であって、彼も入会を勧められた。やがて彼はそこの主催の競技会に出品し、3等賞をもらった。その翌年には秋田市長杯、以降は各賞を独占したようだ。

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40歳の時、観光ダリア園を造る決心をし、土地を探して現ダリア園の土地に造成した。球根と資材を買うために退職金・貯金を崩し、1年目はそれが何百万円も要したらしい。その後、師匠的な存在の千葉氏が病気で入院、持っていた球根を引き取ってくれと奥さんに頼まれ、彼も育種に挑戦することに決めた。

交配は出来るだけ”虫媒”し、試行錯誤を重ねた。平成7年、黒に近いワインレッドの色の花が咲いた。彼は瞬間的に「黒蝶」をイメージし、それを命名した。それが下の写真だ。

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ただし、入園者にはなかなか注目されなかったようだ。だが、市場においては高い評価を頂き、小売店では1本1,300円の値がついた。洋間の多い昨今の住宅にはこれがマッチ、また、結婚式でも飾られるようになったとか。一躍彼の名は有名になり、フランスで開催された「国際ダリア賞」では「虹」という品種が最高賞を獲得し、以降も様々な賞を受賞している。

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ダリアには名前も重要で、彼のお気に入りのダリアのひとつが「浮気心」(※これだと思っていますが?)

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最近は時に便乗ということで、「コウセイ」「MASARU」と言う命名をしたものもある。前者は勿論、あの金農の吉田投手、後者はスピードスケート選手ザドキワさんに贈った秋田犬の名であり、下の写真が「MASARU」だ。

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以上、”時代を語る”の記事を参考にして俺は書いたのであるが、こうして努力をし成功した方を「ダリア狂」と呼ぶのは失敬なのだが、それだけ熱中し生きたという尊敬を込めての表現だ。立身出世を目論んで秋田を離れて、総理の椅子に座った御人も秋田県人であり、ほぼ彼とも同世代なのだが、このダリア園を開いた鷲澤幸治こそは、真の努力人であり苦労人だと思う。彼はいい花を咲かせたい一心で、自宅には年2~3回しか戻らず、管理舎で寝泊まりしたことも随分とあったらしい。それでも奥さんは、ダリアに注ぐ彼の心情に反対もせずに堪えられたようだ。従って、この時代を語るでも奥さんに感謝を込めて語っている。

それにここまで来られたのは、色んな人に巡り合えたこともある。人生は如何にいい人と出会えるかだよ。俺は人に恵まれてきたと思う。強運だった。でも、努力していい行動をとることで、初めて良い人に巡り合える・・・そうも語っている。懸命に生きて来た人の言葉には実感がある。彼の次の目標は、花茎40cm以上の超巨大大輪ダリアを育成する事のようで、既に名は「大恋愛」「大銀河」と頭に刻んでいるようだ。

尚、彼のことは今年NHKテレビで放映されたから、ご覧頂いた方も多いだろうと思う。俺は毎年、ここを訪れダリアを楽しんでいるのだが、例年は11月頃に出掛けていた。だが、今年は稲刈りも早めに終わったことでもあり、妻と昨日出掛けたのだった。彼は言う、日没30分くらい前が一番きれいだと言っていたことを思い出し、閉園の5時ぎりぎりまで花を楽しませて頂いた。

退園時、今は社長をしている彼の息子さんも園内におられたので、愚問してみた・・・「あの~ダリアに”青”はないんだべが・・・?」彼は言った「それが出来ればノーベル賞ものでしょう・・・」と。でも、後継者の息子もまた、色んな夢を抱いているようであった。

以下は、記事で紹介した写真以外のダリア園の写真です。

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<写真撮影は「秋田国際ダリア園にて、10月13日の撮影です>

 

 

 

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旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。
御地もスッキリしないお天気のようですね?
青空は中々、見られずです。

ダリア園、素晴らしい彩りですね。
大いに努力為さり様々な色鮮やかダリアを
育てられたのですね?
青いダリアが見られるようになりますように〜。
「黒蝶」は確か?長野で見た覚えがありますが〜?

投稿: マコママ | 2020年10月15日 (木) 07時27分

初めて目にするダリアの多さにびっくりです。
秋田に行く事があったら・・・行って見たいですね。

投稿: マーチャン | 2020年10月15日 (木) 08時32分

 いつも見過ごしてしまっているダリアですが、大きくて見ごたえのある花がたくさんあるんですね。色鮮やかできれいです。その陰にこんな人がおられたのですね、何でも一途にやっている人ってすごい成果が現れるのですね。

投稿: はるか | 2020年10月15日 (木) 09時59分

昔は結構各家でダリアが咲いていましたね。今はほとんど見ることはありませんが。
それにしても一つの花に魅せられ、ここまで入れ込み極める人はいないでしょうね。正に幸せな人生ですね。

投稿: 京じじ | 2020年10月15日 (木) 16時54分

NHKテレビの番組で見ました。
その時は寄ってみたいと思いましたが、今回は行けませんでした。
来年の秋には、立ち寄りたいと思います。

投稿: しゅうちゃん | 2020年10月15日 (木) 21時06分

マコママ 様

コメントを有難うございます。
毎年ダリア園にはいくのですが、今季は新聞やテレビで関連の報道もあったからでしょうか、入園者が多いような気がしましたね。1品種を作るのに数年はかかるようです。

投稿: でんでん大将 | 2020年10月17日 (土) 20時50分

マーチャン 様

コメントを有難うございます。
機会がありましたらお立ち寄りください。

投稿: でんでん大将 | 2020年10月17日 (土) 20時51分

はるか 様

コメントを有難うございます。
1品種を作るその過程には、凄い情熱と執念のようなものを感じていましたから、今回は特別な気持ちで入園させて頂きました。

投稿: でんでん大将 | 2020年10月17日 (土) 20時54分

京じじ 様

コメントを有難うございます。
ダリアにかける情熱には凄さを感じました。奥様はそのために随分と苦労をされた由、いろいろと考えさせられました。

投稿: でんでん大将 | 2020年10月17日 (土) 20時57分

しゅうちゃん 様

コメントを有難うございます。
やはりテレビでご覧いただいていましたか。凄い情熱のある方ですね・・・閉園は11月の初旬です。来年にはこのダリア園にもお立ち寄りください。大曲からは車で1時間ほどです。

投稿: でんでん大将 | 2020年10月17日 (土) 21時00分

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