映画「阿弥陀堂だより」
恒例の短歌会の合評会を終えて帰宅した俺はテレビに観入った📺1時からのNHKBSプレミアムで、「阿弥陀堂だより」なのだ。俺はこの映画がとっても好きで、映画館にも勿論行ったし、DVDも持っているのに・・・テレビに観入ったのである・・・
この映画の原作者であり、作家南木佳士。俺はファンなのだ。よって結構本も読んでいる。それに、南木は秋田ともつながりのある作家でもある。彼のプロフィールを覗けば、幼くして母を亡くしたり、苦労も体験している。従って祖母に育てられ、継母に育てられ、死を常に意識し、そのことが医学の道に向かうことにつながったようだ。
然しながらを希望校には入れず、都落ちし(?)秋田大学の医学部に入っている。このことは著書「医学生」にも描かれていた。
芥川賞の「ダイヤモンドダスト」も良かった。内容はすでに忘れたのだが、あのダイヤモンドダストの輝く表現は脳裏に残っている。
受賞時、水上勉は「ダイヤモンドダスト」についてこう語っている。「人の世の生のはなやぎというか、はかなさというか、病床描写は簡にして生彩を放っている」と・・・
映画の内容を詳しく書くことは出来ないが、都会の暮らしに疲弊した夫婦が故郷に帰り、再生していく物語だ。二人をそうさせたのは、故郷であり故郷の風景だ。加えて取り巻く人々・・・阿弥陀堂で死者をまつっている老婆であったり、その老婆の話をまとめ村の広報の隅にエッセイを書いている少女、また恩師の存在等など・・・
南木の作品には、精神的な描写も描かれているが、それは南木自身の体験があったからだ。例えば、この映画の中の妻が流産してパニック障害になっている。この病気もまた、彼自身が体験していることでもあってのことである。
いずれも淡々と流れていくストーリーであるのだが、そこには俺たちが忘れているもの、忘れてきたもの、それを思い出させてくれて、涙が止まらなかった。主演の寺尾聡、樋口可南子、それに脇役の俳優北林谷栄、田村高広等が個性を出していて心を温めてくれた。監督はあの小泉堯史であり、音楽は加古隆。このテーマ音楽は車でいつも聞いている🎶
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コメント
私も大好きな映画です。
投稿: OKCHAN | 2020年2月27日 (木) 07時39分
残念、そんな夫婦の絆・人生が語られた映画なら観たかったですね。
原作を読んでみようと思います。
投稿: 京じじ | 2020年2月27日 (木) 08時34分
京じじ 様
コメントを有難うございます。
良い映画でした、良い映画は何度見ても良いものですね。加えて音楽も・・・大好きです。
投稿: でんでん大将 | 2020年2月27日 (木) 13時15分
OKCHAN 様
有難うございます。
良かったですね、映画もまた、音楽も・・・
投稿: でんでん大将 | 2020年2月27日 (木) 13時17分