喜劇映画であれども・・・
わがまちに映画館はない。隣りの由利本荘市にもそれがない。映画好きな俺は、観たい映画があれば、往復3時間ほどかけて秋田市や酒田市まで行くことになる。
3月・・・これを観たいと思っていた。が、花粉症やら農作業もあって見逃していた1本であった。由利本荘市の文化施設で、午後から1回上映するというのだ。天気も梅雨空なので、からだを小さくしなくてもいい。妻も観たがったのだが、村で「鳥海山講」があった・・・
「家族はつらいよ」だ。ご存知の山田洋次監督の作品だ。それを午後から観に行った・・・
このまちで映画を上映するのは久々だ。かつても俺はここで「起終点駅」を観た。きょうは山田監督作品とあってか、100人ほどの観客であった。
上映が始まった・・・
映画のシーンは家の中が多かった、そこでの役者の会話や行動に、場内から笑いが漏れる・・・そんなシーンがいくつも出る。
しかし、笑いの中にも自分と重なるシーンもあって、俺は笑えない部分もあった。一応、喜劇映画であるから、始まりから笑いであっても・・・
発端は平田周造夫婦の会話から始まる。その日は周造の妻・富子の誕生日だったが忘れていた、妻に何のプレゼントがいい?尋ねると・・・
妻から出たことばは・・・「離婚して下さい」
こうして物語は展開していく。この夫婦を演ずるのは、橋爪功と吉行和子。結婚して50年を迎えようとしていた。いくら惚れあっていっしょになっても、50年の間には小さな隙間もでるのは当然か。ひとつ気に入らないとそれが海に注ぐ川のように、一気に海に流れ出る。
周造の仕草を見ていると、ああそれは俺もやっているな、あまりにも夫婦だからと言って、気を使わないのも隙間を広げる要因にもなるのだ・・・だから、周造に自らを投影しながら、ハラハラしながら観続けた・・・
当然のように場内からの笑い声・・・でも、俺みたいな人はいないのか。笑いといっても「ホホホ」ぐらいなら同調するのだが、「アハハハハ」等になると、デリカシィがないなとも思ってしまう。
身につまされることないのだろうか、それは俺だけなんだろうか・・・おかしいけれど、哀れさを感じないのか、同情の気持ちは起きないのか、悲しくはないのか、俺は過剰なのか・・・
俺は思うのだ、喜劇こそ人を悲しませるのではないかと。俺も笑った、でも笑いながらも息苦しさも感じていた俺だ。
最後に・・・周造が妻にさりげなく語ることばに、今度はおれは涙した。
ラストシーン、役者の名が出始めたら多くの人が席を立った。俺などは最後の余韻を感じたいがために、場内に明りがついてから席をたつのだが、きょうも高齢の婦人が多かった。他人のこと等かまうことなく、しかも話をしながら出て行く・・・
まったくマナーもない。少々怒りが胸の中に点灯したが我慢をして、照明点灯後に席を立った・・・
(写真は映画のチラシ、下は我が家の座敷の床の間、立っているのは俺ではありませんから、念のため(ノ∀`)・゚・。 アヒャヒャヒャヒャ・・・短歌大会で頂いた短冊を前に・・・)
| 固定リンク | 0
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 男の名は・・・植木等(2020.07.02)
- 映画「阿弥陀堂だより」(2020.02.26)
- 「風の電話」(2020.01.30)
- 人生色々・・・(2019.10.26)
- さんざしの花咲いて・・・(2019.05.22)
コメント
映画のポスターを見ているだけで、家族のこもごもが感じられるような映画ですね。
長く家族をしていると色々と出てきますよね。でも、年月を経て出てくるのは、若い時に家族にどのように接していたかと思いますね。
何だか、じじもこの映画を観たくなりました。
投稿: 京じじ | 2016年6月26日 (日) 07時31分
でんでん大将さん



明日(朝BS37時45分)
で走ります。
喜劇映画でお勉強されたんですね
奥様に、お勉強の成果をm(_ _)m
こちらは、
火野正平さんが秋田県を
夜は火~金19時からとうちゃこ版
もしかしたら出演している
投稿: ちかよ | 2016年6月26日 (日) 10時48分
たまに、うちらもありますね。センターとかホール
とかに、映画が来る(笑)
確かに、余韻は大事ですね^^
ふと、今までどうしてただろう??
明るくなってから、外に出てたと思う
投稿: ヒナタ | 2016年6月26日 (日) 13時09分
京じじ 様
ストーリィに笑いながらも、ああおれもそうなんだナって思い、笑うどころか・・・反省しきりでした。
投稿: でんでん大将 | 2016年6月26日 (日) 22時35分
ちかよ 様
そのようですね・・・何かで鳥海山・・・って声がしたので、テレビをみたらわがまちを火野さんが走るようです。残念ながら、俺の出番は・・・ありません(゚ー゚)
投稿: でんでん大将 | 2016年6月26日 (日) 22時39分
ヒナタ 様
滅多に来ない映画です。だから、秋田市まで出かけなければなりません・・・いい映画でした。
投稿: でんでん大将 | 2016年6月26日 (日) 22時41分