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淋しい目・物憂げな目・やさしい目・・・修三の絵

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「俺だのまちには、何もね~」秋田県民からは、どこからも聞こえる言葉だ。謙遜と言うこともあるだろう、控えめな県民気質と言ってもいいのかも知れない。当市でも、こんな話があるくらいだ・・・

タクシーに乗った客が運転手に聞いたという。「このまちに良いところありませんか?」と。それに運転手は「俺だのまぢには、何もね~」と。生れてこのまちに住んでいれば、他からみれば良いところがあると思うのだが、きっと鈍感になっている、或いは良いところを気付かないでいるのかも・・・

冒頭に掲げた「絵」、実は版画である。わがまちの出身の池田修三の作品だ。今、彼の作品が大きく評価をされて、世に羽ばたこうとしているのだ。否、南極探検家・白瀬中尉とともに、世界に名を売ろうとしているのだ。

きょうは午後から、市への施行10周年、所謂合併10周年記念のひとつとして、「木版画家・池田修三が描いた世界」のシンポジュームが開催された。妻もこの版画家の絵に関心があったので、ふたりで参加した。

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昨今、人気が急上昇しているのは確かに県のフリーマガジン「のんびり」の影響もある。しかし、市内では多くの方が彼の作品を持っていて、それが当たり前、特別なこととは思っていなかった。ただ、じわりじわりと市民には浸透していた。

だから俺もいつだったかの展示会で、彼の作品を求めていた。大きなもので1万円、小さなもので3千円ほどでなかっただろうか・・・そのひとつと先日頂いた絵皿を居間に飾っている。

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ただし、人気の火付け役になったのは、前述したように秋田県のフリーマガジンだ。この編集者が秋田の友人宅に泊まったときに目にしたもの、それが修三の絵だったのだ。彼は、片手に真っ赤なリンゴを抱え、頬杖をつきながら、クリクリの目で佇む少女の絵、これに感動したという。

そこから彼は修三について調べあげ、ついにフリーマガジンに特集を組んだのだ。その彼が、修三の生地・生家を訪ねたのは勿論だ。そこで彼が感激したのは、修三の絵がまちの商店やその他の場所にさりげなく飾っている事だったという。

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こうしたことをきっかけに、彼は県内での作品展は勿論、南は九州まで修三の作品の紹介に努めたのだ。東京の渋谷だったか、掲載の2枚目の「ピース」の絵、大きなものが掲げられたのを目にされた方もおいでだろう・・・

版画集も出版された・・・俺もそれを求めた。

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このようにして、版画家・池田修三の名は知られ、作品も絵が絵だけに若い女性を中心にファンが増えている。市でもこれを契機にと、象潟駅前には時計台に修三の絵を飾り、さらには市に車もラッピングしている。

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修三の描いたのはほとんどが少女、晩年には象潟や鳥海山などの風景画も残しているが、作品の2000点あまりを市は寄贈を受けたので、随時、作品を替えて郷土資料館に展示している。

今夏、まち全体が美術館に見立て「まちびと美術館」と銘打って、絵を持っている方々から協力して頂き、店みせ・家いえに飾って頂き、観光客を呼んで多くの方から来て頂いた。きょうのシンポジュームではやはり美術館がほしいなとの意見が出された・・・

ただし、立派なものではなく、既存の建物を利用するようなものがいいのではとの提案であった・・・これには俺も納得だ。

修三の少女は「目」が特徴的だ。憂いのあるような、悲しみを秘めているような・・・ある人に言わせれば「怖い目」だとも言う。子ども達もそれがあるようで、ドキリとするという子もいるようだ。でも・・・総じて、可愛らしさがでているように思う。

どうぞ!皆さん・・・修三の絵に機会がありましたら、会いに来てください。

何もないまちに宝物がありました。

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コメント

どこかメルヘンチックな絵ですね。あまり絵を知らないじじは池田修三という版画家を知りませんでした。

「町に何かないですか」と言えば名所・旧跡などを想像して、わが町は何もないとなるのでしょうが、文化面も強化して絵を展示するところを是非造って頂ければ、こんな所があるよとなるのではないでしょうか。

投稿: 京じじ | 2015年11月 2日 (月) 07時18分

 お住いの地域にはこんなに素敵な版画家がいらっしゃるんですね。
池田修三氏は知らなかったですが、とても愛らしい作品を作られる方だと思います。
特に目の辺りが印象的で愛くるしいですね。
芸術家の作品を世に知らせるために常時美術展が開催出来るような施設を確保しPR出来るといいですね。
町興しにも繋がると思いますが。

投稿: yasu | 2015年11月 2日 (月) 17時20分


京じじ 様

そうなんですね、どこかメルヘン的な感じで、若い女性を中心にファンが広がり始めています。機会がありましたら、彼の絵と対面して下さい。

投稿: でんでん大将 | 2015年11月 3日 (火) 17時43分


yasu 様

夏には飾っている一軒、一軒が美術館として、「まちびと美術館」の名称で、客を集めました。
景色等は多少違っていても、全国同じようなものでしょう・・・そこにどんな人物がいるのかが、人を呼ぶものになるように思います。群馬県の星野富弘さんの美術館、旭川の三浦綾子さんの文学館は最高でした。ふたつとも入館してから泣いてしまいました。
提案されたように既存の建物を利用するのが、まちには相応しいと思っています。

投稿: でんでん大将 | 2015年11月 3日 (火) 17時53分

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