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他の富めるをうらやまず・・・

チラシには「最も美しい横領犯」とある・・・

角田光代の原作「紙の月」の映画だ。主演が、話題となった宮沢りえ・・・映画自体も評価の高い作品で、宮沢さんは確か賞を獲得した映画でもある。

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この作品はNHKでもドラマとして放映された・・・俺は、勿論テレビで観たこともなかったが、ひと仕事を終えたし、この4年間を支えてくれた妻への感謝も込めて、夕方から「紙の月」を観に行った。

作家・角田光代は今を走っている作家のひとりだ。俺はこの作者の”タイトル”に凄く興味を抱いている。この「紙の月」もそうだが、「空中庭園」「ツリーハウス」「八日目の蝉」「対岸の彼女」・・・俺は、松本清張と同様に角田作品のタイトルも好きだ。

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「紙の月」の舞台は銀行、主人公はそこで契約社員として働く主婦の梅沢梨花だ。ある日、年下の大学生と知り合う、その彼と過ごすうちに人様の預金に・・・こうして物語は展開する。それは正しく犯罪だ・・・

昨夜の「霧の旗」の霧子も犯罪者だ・・・他人からすれば「逆恨み」ということになるのだが、れっきとした犯罪だ。

そこが小説ということになるのだが、貧乏だから弁護してくれない、言わば富めるものへの反抗ともいえる。だからこそ、彼女の行為は正義を貫くような素振りで人を陥れていくのだから、犯罪である。

しかし、何度も映画化やテレビ化になっているのは、庶民が王に歯向かっていくその姿勢が共感を呼ぶのだと思う。ただ今回の梨花の犯罪は違う、そこに女の悲しい性を見たような気がする。

梨花の犯罪や霧子の復習を賛美するものでは勿論ない。しかし、圧倒的に女性の支持を受けているふたりの犯罪は、小説やテレビ、映画ゆえに世に鬱積している女性のうっぷんの裏返しなのかも知れない。つまりは、まだまだ「時代に輝いていない」ということにもなる。

小林一茶のことばにこんなものがある。

   他の富をうらやまず、身の貧しきを嘆かず、ただ慎むは貪欲、恐るべきは奢り

かつて勤務していたころ、俺の部下が罪を犯したことがある。それで俺は所謂、左遷をされたことがある。その人は、そこで免職となった。その人が今はどこにいるのか、何をしているのか知らない。ただ願うのは、あのことを出発点として、正しい道を歩いていてほしいということだ。

今夜は寒くもなく、雪もない、雪国の夜空に煌々と月が輝いている。

   2枚目の月の写真は、昨日のNHK「小さな旅」より

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コメント

ご夫婦で映画鑑賞いいですね。

じじは20年以上映画館で映画を観たことがありません。
テレビで観るのと違い,劇場ではその臨場感が凄いのでしょうね。
じじは大将と違い,文化的思考が乏しいので,その方面には疎く,大将のブログを読んでいると,ああーそうなんだと納得します。

小林一茶のことばが紹介されていますが,こう在りたいと思いますが,凡人には煩悩が多く,このような悟った心境にはなれませんね。

投稿: 京じじ | 2014年12月 9日 (火) 16時54分


京じじ様

どうも連続物のテレビは、観る時間もなく、都合がつかなかったりで観ることがありません。映画はその2時間ほどでラストシーンまで観られるので、しかも迫力もありますので、映画にひかれます。
昨夜は、話題となっていました映画をふたりで観に行きました。館内は、俺たち含めて3人でした・・・

投稿: でんでん大将 | 2014年12月 9日 (火) 20時43分

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