« 人間の「ゼロ」を裁けるか・・・映画「ゼロの焦点」 | トップページ | 冬は駆け足で・・・・ »

大人の愛・・・「アバノの再会」読んで

曽野綾子を読んだのは何年ぶりだろう。この間の講演会の影響もある。たまたま古本屋で見つけた1冊・・・「アバノの再会」である。帯に~重い人生、深い恋。古典的な純愛小説とあった。

主人公・戸張(とばり)は妻の介護で早期に大学を退職した教授。が、2年の介護で旅立った妻。そこに元の教え子が尋ねて来て温泉に誘われ出立する。イタリア北部にあるアバノ温泉、そこはマッサージ、泥浴の療養施設が整っていた。

ここでの食事時、かつて家庭教師をしたことのある女性・響子と再会する・・・・彼女はモーター経営者の一族の次男と結婚している。30年ぶりであった。13歳差のやもめ暮らしの男、裕福なはずの?女・・・・・・時間差、年齢差を超えて惹かれあう。かつての想いが持ち上ってくる。かつては若さゆえ、口にも出せずに沈めていた思いだ。

こんな再会であれば燃え上がる!のは分かる。しかし、ここに描かれるのは大人の愛だ。抱擁のシーンも口付けの場面すらない、深くいたわり合うこころだけが描かれる。アバノでのわずか7日間の二人の時間・・・しかし二人の会話がとても魅力的。

最後の場面もまた感動を呼ぶ。帰国する戸張に響子から手紙が届く。待ち合わせていた修道院にである。綴られた言葉=それはなんと謙虚なそして深い愛の言葉だろうか。

 人を深く愛するには、愛する人と遠くにいることが必要だという矛盾です。人は近くにいるから、絶望し、最後には憎しみあうことさえあるのです。そんな形で大切な愛を失いたくないのです・・・・・

|

« 人間の「ゼロ」を裁けるか・・・映画「ゼロの焦点」 | トップページ | 冬は駆け足で・・・・ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大人の愛・・・「アバノの再会」読んで:

« 人間の「ゼロ」を裁けるか・・・映画「ゼロの焦点」 | トップページ | 冬は駆け足で・・・・ »